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針供養とは 日本人の美徳を今に伝える大切な伝統行事

2016.12.04

 

針供養とは 日本人の美徳を今に伝える大切な伝統行事

現代では裁縫などで針を使う機会が大変減ってきていますが、古くなったり使用済みになった針に感謝し、労をねぎらって供養する行事「針供養」が現在でも残っています。

この記事では針供養とは何なのか、そして針を使うことが減った現代におけるその意義とは何なのかなどについて、わかりやすくお伝えしていきたい思います。


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針供養とは

針供養ですが、読んでの字の如く古くなった針や折れて使えなくなった針を供養する行事です。またそれと同時に裁縫の上達を願うという側面もあります。

お世話になった針に感謝し労いながら、豆腐やコンニャク等に刺して供養します。

これには一生懸命働いてくれた針に対して、最後は柔らかいものに刺し楽にしてあげたい、という意味があるのです。

現代では主に和裁教室や被服科の学校、また畳の製造等の業界の間で行われていますが、昔は一般の家庭の主婦がこの針供養の主役でした。

昔は一つの着物を直しながら長く大切に着ていました。一枚の着物を何代にもわたって着続けることが普通のこと。

そのため昔の女性にとって裁縫は非常に重要な仕事で、一人前の女性としての必須のたしなみであり、裁縫道具の一式が揃った裁縫箱(お針箱)は嫁入り道具の必需品でした。

また裁縫に対する思いも現代では考えられないほど深いもので、女性は愛する男性のため家族のために一針一針気持ちを込めて針仕事をしていました。

戦時中、戦地に向かう男性は「千人針」と呼ばれる布をお守りにしたのですが、この千本針とは男性の無事を祈りながら千人の女性が一針ずつ思いをこめて縫ったものだったのです。

これらの事柄からも「針供養」という風習は日本人にとって大変深い意味を持ったものであることが分かると思います。

現代における針供養の意義

先ほど述べた着物もそうですが、本来日本人は物や道具を大切に扱うという美徳を持っていましたが、現代は使い捨ての時代となり、その美徳が失われつつあります。

昔の日本人は、たとえ針一本であっても単なる道具として扱うのではなく、そこには心があり魂も宿っているのだから感謝の気持ちを忘れてはいけない、と考えました。

だからこそ使えなくなったものをそのまま捨てることに罪悪感さえ生まれ、捨てる際でも手を合わせることもあった。

このような日本人独特の物に対する繊細で細やかな感性によって針供養という風習が生まれ、根付いてきたのでしょう。

そしてその精神があるからこそ、日本国は世界に類を見ないほど丁寧なものづくりのできる国として発展してきたのだと思います。

そういった日本人の美徳を決して忘れることなく、後世に残していくためにも、針供養のような日本独特の美しい風習は途絶えさせてはいけないのではないでしょうか。

古くから伝わる風習や伝統行事は、現代に生きる私たちに忘れてはいけない大事な何かを教えてくれているのです。


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