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「銭っ子」 水島新司の隠れた超名作 百円札に込められた意味

 

「銭っ子」 水島新司の隠れた超名作 百円札に込められた意味

銭は唄う天使の歌を

銭は唄う悪魔の歌を

かわるメロディー歌い手しだい 


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銭っ子 あらすじ

東京のある高級住宅街の豪邸で何不自由なく育てられてきた、わがままで甘ったれの中学生、中馬健。

しかし突然の交通事故で両親を亡くし、妹の亜子と2人きりになってしまう。

2人は神戸の親戚の家に引き取られるが、学校にも行かせてもらえず、朝から晩まで働かされて、酷い仕打ちも受けるが兄妹で励ましあいながら必死に耐えていた。

しかし両親の財産を全て奪われた上に、形見のカメラまでも奪われてしまう。

絶望した2人は天国の両親のもとに行くために、一緒に手をつないだまま海に身を投げた。

しかし海や川の底を網でさらって鉄クズやビンなどを集め、それをスクラップとして売って生計を立てているガタロ船の優しい人たちに助けられ、そこで生活していくことになる。

そんなある日、世話になっているガタロ船の船長が怪我をする。

健は船長を背負って街中の病院を回るが、ガタロ船の人間は貧乏だからという理由でどこも診てくれない。

やはり人間はお金がないとダメなんだと悟った健は、金儲けをするために亜子をひとり残して旅立っていく。


ガタロ船を出たものの、元手も何も無い、まだ子どもの健に金儲けなど出来るはずもなく、途方に暮れていた。

そんな時、1人の乞食が金を恵んでもらっているのを見て自分でもやってみるが、当然うまくいかない。

そうしているうちに「小僧、家に帰れ」とその乞食が話しかけてくるのだが、実はこの男は神戸の六甲に大邸宅を持ち、ベンツを乗りまわすほどの大金持ちだった。

健のことをただの家出少年だと思っていたその乞食は、話を聞くうちに、なぜ自分から意地でも離れないのかを理解する。

乞食は健が親戚に金を騙し取られたことについて「騙す奴は悪いが騙される奴もアホだ」と言い放つ。

「ほんものの銭もうけ教えたる」

この一言で健はこの乞食から金儲けのイロハを教わることになる。

そしてその恐ろしいほどの銭への執着から、健はこの乞食のことを銭の神様「銭神」と呼ぶようになる。

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銭を儲けるため、そして親戚に復讐するために必死に銭神に喰らいついていく健。

しかしは銭神はまるで健を利用するかのように、健の銭儲けを全て自分の儲けにしていくのだった。

だが次第にたくましくなり1人の男として成長してきた健は、ある方法を使って4千万という大金(現在の貨幣価値に置き換えるとおそらく1億近く)を手に入れることになる。

今度は逆に銭神を利用して。

大金を手にした健に対し、銭神はこれからはひとりでやっていけと言い、年に1度会うことを約束して2人は別れた。

そして餞別として銭神がくれたのは、たった1枚の「百円札」であった。


ここから土地の売買で騙されたり、あの優しかったガタロ船の人たちに裏切られたり、両親の遺産でスーパーを始めていた親戚の叔父と再び争うことになったりと波乱万丈が続く。

結局健はまた一文無しになるのだが、もうその頃には銭儲けどころか銭自体が恐ろしくなっていた。

だた、たったひとつだけ健にとって恐ろしくない銭があった。

それが銭神がくれた「百円札」だった。

 

意地悪じゃないけどラストまでは書きません。コミックにはプレミアがついてますが、興味のある方はなんとか入手して是非ご覧ください。

本当に名作中の名作です!!

銭っ子の主題は何だったのか

銭っ子は昭和47年に始まった作品で、「乞食」「百円札」「ガタロ船」など時代的な背景があるにも関わらず、初めて読んだ時は本当に強烈な衝撃を受けた。

大人になって読み直したくなり、古本屋さんでプレミア価格(全5巻で5千円位だったと思う)で購入して、今でも大切にバイブルとして繰り返し読んでる。

別れの際に銭神が健に渡した「百円札」

この百円札こそが「銭っ子」の主題だったような気がする。

健は銭神に出会い、次第に疑い深く眼光の鋭い男に成長していくんですが、ラストが近づくにつれて昔の少年らしい純粋であどけない表情に少しずつ戻っていく。

ラストシーンは本当に涙無しでは読めないものです。

マジでプレミア価格で買って読んでも絶対に後悔しないことは保障するんで、本当にみんなに読んで欲しいと思います。

もう一度繰り返しますが、本当に名作中の名作です!!


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