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夏目漱石 「坊ちゃん」 を読書感想文におすすめしない理由

2015.03.02

夏目漱石「坊ちゃん」を読書感想文におすすめしない理由

夏休みの宿題としてよく出される「読書感想文」

この機会に夏目漱石などの純文学にトライしてみようと考えることは非常に良いことですよね。

しかしどうしても物語の中に入っていけなかったり、最後まで読んだとしても何を書けばいいのか分らないなんてことになって、読書自体が嫌いになったらそれこそ本末転倒です。

この記事では読書感想文と題材としてよく選ばれる夏目漱石の「坊ちゃん」をおすすめしない理由についてお伝えしようと思います。

※この記事はあくまでも普段あまり小説や純文学などを読まない生徒 さん、またはそういった生徒さんに読書感想文を課す先生に向けて書いたものです。


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なぜ「坊ちゃん」を読書感想文におすすめできないのか

まず、なぜ読書感想文に夏目漱石の「坊ちゃん」が良く選ばれるのか。

一番の理由はそのページ数・文章量の少なさだと思います。

文庫本にしても「こころ」や「吾輩は猫である」に比べてかなり薄くそれに割りと平易な文章で書かれているので、夏目漱石の小説の中では一番読みやすい小説だとは思います。

しかし読書感想文という観点からいうと結構書きにくいタイプの小説なのです。

「坊ちゃん」という小説は東京から愛媛松山の高校の英語先生として赴任してきた坊ちゃんが、悪ガキの生徒たちや嫌な先生とぶつかり合い、結局最後は東京に戻る、というだけの小説です。

「こころ」「それから」のように好きな女性を奪い取ったり、友達を裏切ったりといった大きな事件も起こりません。

ただただ坊ちゃんと悪ガキや先生たちとちいさなイザコザが続くだけ。

ストーリー展開の速さやどんでん返しなどのエンターテイメント要素がぎっしり詰まったマンガやアニメや映画に慣れた現代の子供たちの中に、果たしてこの小説を面白いと感じられ子がどれだけいるかは非常に疑問。

そして何とか最後まで読みきったとしても、どの部分について感想を書けばよいのかが非常に決めにくい。

「坊ちゃんは結局敗者でしかなかった」「坊ちゃんは本当に正義だったのだろうか」「坊ちゃんにとって清とはなんだったのか」くらいの深い読み方が出来れば、それなりの読書感想文も書くことも可能でしょう。

しかしそうでなければ「生徒たちの坊ちゃんに対する態度に腹が立つ」「校長や教頭は坊ちゃんをいじめる嫌な人だ」といった「表面的な部分」でしか論点が見つからない可能性が大きいのです。

つまり「坊ちゃん」という小説は、普段小説など読まない子が字面を追いかけるだけの読み方をすれば、そこに何の感動も論点も見つからない可能性の大きい小説なのです。 

例えるなら「サザエさん」と「天空の城ラピュタ」ではどちらが感想文を書きやすいか、ということです。

日常の小さな出来事を楽しく見せてくれる「サザエさん」と起伏のあるストーリー展開で愛や友情といったものを表現する「天空の城ラピュタ」

どちらの作品が優れているのかなどということではなく、どちらもやはり素晴しい作品なんです。

ただどちらが自分の感想を持ちやすいかというと、やはり「ラピュタ」であるのは間違いないと思います。

「我輩は猫である」や「三四郎」も同様に書きづらい

「坊ちゃん」と同じ意味で夏目漱石の代表作のひとつである「三四郎」も主人公の三四郎の大学生活を淡々と描いたあまり起伏の無い小説ですから、やはり読書感想文には不向きだと思います。

あと選ばないほうがいいのは「吾輩は猫である」

題名が非常に親しみやすいものですので読みやい内容に思えますが、非常に長文である上に使われる言葉も結構難しいものが多く、実は

字面を追うだけでも大変な小説なのです。

普段小説を読まない子が「吾輩は猫である」を読んでも、最後まで読みきることの出来るのはおそらく100人に1人もいないと思います。逆に読書嫌いになる子が大半だと思います。

読書感想文の最も大きな意義は「読書の楽しさを知る」ことであるはずです。

ですので読書嫌いにならないためにも読書感想文の題材選びは本当に大切だと思います。

普通の読書なら面白くなければすぐに読むのを止めればいいだけですが、宿題となればそうはいきませんしね。

 

※ もう一度繰り返しますが、あくまでも読書感想文を書く上での話です。

「坊ちゃん」「三四郎」にしても「吾輩は猫である」にしても 宿題といった義務感から離れて、つまらなければ途中で止めりゃいいやという気軽な気持ちで1度読んでみてください。

分らないところは飛ばしながらパラパラと読んでも全然いいんです。

そのうちにテレビにもマンガにもゲームにも無い、読書でしか得られない楽しさ面白さにきっと気付くはずですから。

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