白のジャックパーセル ぼくの10年選手物語

白のジャックパーセル ぼくの10年選手物語
「10年選手物語」というタイトルだけど、『BIGIN(ビギン)』というファッション雑誌に昔連載されていたコーナーで、10年使っても飽きない定番の商品を紹介したもの。
そして俺の永遠の10年選手は「白のジャックパーセル」だ。
ジャックパーセルとの出会い
高校1年の時、たまたま入った古本屋さんに山積みされていたファッション雑誌『BIGIN』
それまでファッションなど全く興味が無く、格好などどうでもよかったのに、なぜだか分らないんだけど手に取ってしまった。
しかしこれが超面白い!
ブランドなんて全く知らないのに、どの商品もすごく魅力的に思えてズンズン引き込まれてしまった。
その中でも一番面白かったコーナーが「10年選手物語」
山積みのBEGINの中から「10年選手物語」が載っている号を選んで、少ないお小遣いを叩いて家に持って帰ったのを昨日のことのように覚えてる。
同じ雑誌を何回も何回も飽きずに見て、お小遣いが貯まったらこれを買おう、この靴買ってこのシャツを合わせようなどと妄想して楽しんでたなぁ。
そしてある号の10年選手物語に紹介されたジャックパーセルの白いキャンバススニーカーがなぜか死ぬほどカッコよく思えた。
BIGINに載っている商品はシャツが3万だったり、靴が8万だったりで高校生の俺が買える商品などあまり無かった。
でもその当時、ジャックパーセルは2、3000円くらいで投売りされてたようなスニーカーだったし、高校生の俺でもお小遣いで買えた。
その頃のジャックパーセルはMADE IN USAで、現在デットストックならオークションで2万前後で取引されてるんだけど・・
オシャレ番長になった気分でその白いジャックパーセルを履いて毎日学校に通ってたんだけど、その頃ナイキのハイテクスニーカーが全盛の時代。
友達にも自分がオシャレでジャックパーセルを履いてるなんて分ってくれる奴はいなかった。
ただ1人、同級生のおしゃれな女の子が「〇〇君のスニーカーかわいい」と話しかけてくれたのを今でも覚えてる。
奥手で女の子とほとんどしゃべったことの無い俺は速攻でその子のことを好きになったが、告白どころか自分から話しかける勇気さえ無く、その時以来事務的なこと以外でしゃべった記憶が無い。
まぁ事務的なことでもその子としゃべれたら、その1日は超ハッピーだったんだけどね。
その時から現在までおそらくジャックパーセルの白だけでも10足以上買ってるんじゃないかなぁ。
たまに浮気するけど、自分のスニーカーのメインはジャックパーセルとスペルガのキャンバススニーカー。
この2足を履きつぶしては買い直すを続けてるわけです。
保守的な人間ってこともあるけど、やっぱりそれだけ魅力的でカッコいいってことだし、どんな服装にも合うしね。
そして黒やネイビーもいいんだけど、やっぱりジャックパーセルは白が全ての面において一番カッコいい。
ジャックパーセルがMADE IN USAでなくなった日
コンバースは2001年にアメリカ工場を閉鎖し、全ての製品がMADE IN USAからアジア生産へと変更に。
そのニュースをキャッチし損なった俺はデットストックとして買い置きすることが出来なかった。
俺にとってMADE IN USAでないジャックパーセルなどジャックパーセルでない。
そしてアジア生産に移された新生ジャックパーセルだけど、これが完全な改悪(個人的意見)で、ジャックパーセルらしさみたいなものが完全に無くなってしまった。
出始めの頃にはジャックパーセルのパチ物なんて言われたしね。
でも正直言うと、現行のジャックパーセルのほうが履きやすいしスニーカーとしてのクオリティは上がってる。
MADE IN USAの時代のジャックパーセルは決して履き心地のいいスニーカーではなかったし、靴紐もほどけやすし、製品のサイズやデザインにも結構ばらつきがあった。
でもその雑で不完全なところもジャックパーセルの良さだったし、現行のものにはない「絶対的なカッコよさ」を感じさせるスニーカーだった。
だからモデルチェンジしてから1回試しに買って、それから数年履かない時期があったんだけど、やっぱり見ると履きたくなるんで頻度はかなり低くなったけど今でも履いてる。
最近80年代のジャックパーセルが復刻されたけど、俺が欲しいのは90年代。
たくさん買うから、MADE IN USAで復刻してくれないかなぁ。